桐生新町重要伝統的建造物群保存地区
桐生市の重伝建エリア(重要伝統的建造物群保存地区)は、群馬県桐生市本町一丁目から三丁目にかけて広がる歴史的街並みで、2012年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。このエリアは、江戸時代から昭和初期にかけて織物業で栄えた桐生の中心地であり、現在も当時の面影を色濃く残す町並みが保存・活用されています。
桐生は古くから「西の西陣、東の桐生」と並び称されるほどの織物の産地であり、その歴史は奈良時代にまでさかのぼります。特に江戸時代以降、徳川幕府の庇護のもとで発展を遂げ、明治・大正・昭和初期には機械織の導入や工場制の拡大により、全国有数の繊維産業都市として栄華を極めました。現在の重伝建エリアには、その繁栄の証として残された伝統的な町家、土蔵造りの商家、洋風建築を取り入れた織物工場などが連続して並び、当時の職人や商人たちの暮らしや営みを今に伝えています。
特筆すべきは、建物の多くが現役の住居や商業施設として活用されている点です。老舗の呉服店や喫茶店、ギャラリー、現代のライフスタイルを取り入れたリノベーション店舗などが混在しており、「生きた町並み」としての魅力を放っています。また、まちの路地裏には石畳や木造の長屋、看板建築と呼ばれる昭和初期の商店建築も多く、歩くだけで時代を超えた文化的な空気を感じることができます。
この地区では、地元住民や商店主が主体となって保存と活用に取り組んでおり、定期的な建物修繕やまち歩きイベント、文化財保護活動も行われています。伝統と現代が調和するこの地域は、単なる観光地ではなく、地域文化と生活が共存する「まちづくり」の好例といえるでしょう。
近年では映画やCMのロケ地としても注目されることが増え、桐生ならではの美しい街並みと人々の営みが、多くの来訪者の心を惹きつけています。重伝建エリアを訪れることで、桐生が育んできた産業の歴史、まちの誇り、そして今なお息づく「織都」としての魅力を肌で感じることができるでしょう。
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2025/07/19